主な現地提携団体
- 団体名
-
- Ministry of Education and Vocational Training
- Partnership for Child Development
©table for two
東アフリカに位置するタンザニアは、アフリカ本土とザンジバル諸島で構成される共和制連合国家です。TFTの支援先があるザンジバルは、沖縄県と同じくらいの面積と人口を所有し、観光地として知られていますが、中心地を離れると零細漁師や農家など、現金収入の手段をもたない世帯が大半です。ザンジバルは、1964年にタンザニアの一部となるまで、本土とはまったく異なる歴史を歩んできたこともあり、今でも大きな自治権を認められています。教育カリキュラムも独自でつくっていますが、義務教育終了時の全国統一試験では、ザンジバルの生徒のほうがタンザニア本土の生徒よりも平均点が低い傾向があります。
TFTは2014年にザンジバルの小学校で給食プログラムを開始し、現在はザンジバル政府と連携して支援規模を拡大しています。週に5日、ソルガム(もろこし)とササゲ豆のお粥を提供しており、収穫可能な時期には、給食プログラム開始前の調査で不足が判明した栄養素である「ビタミンA」を豊富に含む「オレンジさつまいも」も提供されます。ビタミンAの摂取不足は、下痢やマラリアによる致死率、失明のリスクを高めますが、オレンジさつまいもを給食で摂ることで、必要摂取量の1.5倍のビタミンAを補うことができます。
ザンジバルの小学生は、4年生で進級試験を、7年生で卒業試験を受けます。7年生の卒業試験で特に成績が優秀な生徒は、現地で「スペシャルスクール」と呼ばれる選抜制の特別中学への進学が可能です。 「給食プログラムが始まってから、授業に集中できる子どもが増え、特別中学への進学者数も増加しました」と、先生方は話しています。
学校給食で使用される食材は、地域の農家グループが栽培しています。地元農家には技術指導を行い、栽培した穀物や野菜は政府が買い上げ、学校へ納入することで、市場を提供しています。農作物に安定した買い手があることは、零細農家の収入安定につながり、家の修繕費用や通院費用を賄えたという声も届いています。さらに、給食の枠を越えて商業的に成功した事例もあります。オレンジサツマイモの契約農家グループは、会員農家数を増加させ、生産量を拡大し、サツマイモとソルガムの製粉を商品化して販売しています。