学校菜園の活用 @ フィリピン カステリヤホス
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収穫した野菜を給食に使っています
学校内にある菜園の栽培を担当しているのは、一部の教員と給食支援を受ける生徒の保護者です。温暖な気候のため、通年で栽培と収穫が可能ですが、季節ごとに違いもあります。例えば、乾季にはトマトやナス、大根、冬瓜などが育ち、雨季には空心菜やカボチャが豊富に収穫できます。収穫した野菜は、給食の食材として使用されます。
年に数回、栽培方法や土壌改良についての講習会が開かれます。ここでは、鶏糞や牛糞、食べ残しを使ったコンポスト作成方法や、使用済みの袋をプランターとして再利用する方法を学びました。
さらに、新たにキノコの栽培にも取り組み始めました。キノコ栽培の専門家である保護者から指導を受け、菌床を作成し、学校内の小屋に棚を設置してヒラタケなどのキノコを育てています。収穫したキノコは給食で使われるだけでなく、教師や保護者に販売され、その収益は給食の食材購入に充てられます。
クリスマスとお正月の縁起を担ぐ食事
日本では長寿や厄落としを願って年越しそばを食べたり、五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄を願ってお節料理を食べたりしますが、フィリピンでもクリスマスやお正月には、縁起を担いだ食事が登場します。
人口の9割をキリスト教徒が占めるフィリピンでは、クリスマスは一年で最も重要なイベントです。12月24日の夜、Noche Buena(ノチェブエナ)と呼ばれるこの特別な夜には、家族が集まり、ごちそうを食べたり、プレゼント交換をしてクリスマスを祝います。Noche Buenaはスペイン語で「おやすみなさい」や「神聖な夜」を意味します。
給食にスパゲッティが登場
クリスマスの定番メニューには、レチョン(豚の丸焼き)、ハム、パンシット(フィリピン風焼きそば)、フルーツサラダなどがあります。近年では食文化の変化に伴い、スパゲッティでお祝いする家庭も増えてきました。実際にこの時期はスーパーマーケットでは、麺類やソースの販売スペースが拡張されます。フィリピンの定番調味料であるバナナケチャップ(バナナ、酢、砂糖から作られる)は、スパゲッティのソースにも使われます。
12月には給食にもスパゲッティが提供されました。普段とは違う給食に子どもたちは大喜びで、おかわりをする子もたくさんいました。
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クリスマス時期のスーパーマーケット。スパゲッティやソースの売り場が拡張されます。
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子どもたちにインタビュー
ザイラさん(4年生)-
<2024年の振り返り>
- 以前は野菜が嫌いだったけど、食べられるようになり、今は野菜が好きになった(ゴーヤだけはまだ嫌い)
- 新しい友達ができた
<2025年の抱負>
- もっとたくさんの友達を作りたい
- 良い成績を取りたい
ジュリエンヌさん(5年生)-
<2024年の振り返り>
- 8科目中6科目で、クラスで一番の成績を取り、表彰された(Best in Subject)
- 友達と仲良くできた
- 給食をたくさん食べることができた
<2025年の抱負>
- 来年も勉強を頑張りたい
- 先生を困らせないようにしたい
成績優秀者の表彰
フィリピンの学校では、学期末に成績優秀者が「Best in Subject」として表彰されます。表彰はクラス全員の前で行われ、リボン、メダル、賞状などが授与されます。バライバイ小学校では、表彰リボンが授与されます。
成績優秀者の表彰だけでなく、積極的に授業に参加した生徒やリーダーシップを発揮した生徒、そして欠席せずに学校に通った生徒も表彰されることがあります。
自分の子どもが表彰されている写真をSNSに投稿する保護者も多く、子どもにとっても保護者にとっても誇らしい瞬間です。
TFT事務局より
支援先レポートNo.47
※印刷してポスターとしてご掲示いただけます
2024年12月「朝日新聞GLOBE+」にて、フィリピンの様子を取材していただきました。こちらもぜひご覧ください!